あきらぼ

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PowerPointでmp4動画が真っ黒になって「メディアを再生できません」と表示される。

PowerPointにMP4の動画を張り付けたところ、なぜか張り付けた動画が真っ黒になってしまい「メディアが再生できません」とエラーが表示されてしました。

 

結論から言うと、動画はH264のコーデックの正しいMP4動画なのですが、パワーポイントがYUV422pというMP4のピクセルフォーマットをサポートしていないのが原因でした。

 

 

 

 

詳細説明

詳細について説明すると、上記の図の張り付けられている動画はどちらもMP4の動画になります。

詳細のコーデック等をffprobeで確認してみます。

再生できるMP4動画の詳細がこちら。

MP4でH264のコーデックではあるのですが、ピクセルフォーマットがyuv420pとなっています。

 

そして再生できないMP4動画の詳細がこちら。

ピクセルフォーマットだけがyuv420pとなっています。

 

これがパワポで表示できない原因になります。

 

対策

原因は分かったので、パワポで表示させるようにするにはピクセルフォーマットだけ変更してあげればよいです。

 

ffmpegを使用すれば以下のコマンドで変更が可能です。

 

ffmpeg -i 入力ファイル名 -pix_fmt yuv420p 出力ファイル名

 

ほんの少しの画質劣化はあるとは思いますが、パワポで使うような動画でこの差が気になることは無いと思います。

 

YUV420pとYUV422pの違い

 

YUV420pとYUV422pは、ビデオデータの色情報のサンプリング方法における違いがあります。具体的な違いを以下に示します:

  1. サンプリングの方法:

    • YUV420p: Yコンポーネント(輝度)はフル解像度でサンプリングされ、UとVの色差信号は水平および垂直方向のピクセルごとに1/4の解像度でサンプリングされます。
    • YUV422p: Yコンポーネントはフル解像度でサンプリングされ、UとVの色差信号は水平方向のピクセルごとに1/2の解像度でサンプリングされます。
  2. 色情報の量:

    • YUV420p: 色差信号が低い解像度でサンプリングされるため、色情報が少なく、データ量が少なくなります。
    • YUV422p: 色差信号が水平方向のピクセルごとにサンプリングされるため、より多くの色情報が含まれます。
  3. 画質とファイルサイズ:

    • YUV420p: 色情報のサンプリングが低いため、画質が若干劣化することがありますが、通常の視聴条件では目立たないことが多いです。また、ファイルサイズが比較的小さくなります。
    • YUV422p: 色情報が多いため、色の変化が多い場面では画質の向上が見られることがありますが、ファイルサイズが増加します。
  4. 適用領域:

    • YUV420pは一般的に動画配信や一般的なビデオコーディングに使用されます。
    • YUV422pはビデオ編集やプロフェッショナルなビデオプロダクションなど、高品質な色情報が必要な場面で使用されることがあります。

これらの違いは、ビデオの品質やデータ量、および使用されるコンテキストに影響を与えます。

 

YUV420やYUV422の数字部分は、色情報のサンプリング方法を示しています。

  1. YUV420:

    • "4"は、色差信号のサンプリングがY(輝度)コンポーネントの解像度に比べて水平方向に2倍、垂直方向に2倍の解像度でサンプリングされることを示しています。つまり、水平および垂直方向に1/4の解像度でサンプリングされることを意味します。
  2. YUV422:

    • "2"は、色差信号のサンプリングがY(輝度)コンポーネントの解像度に比べて水平方向に2倍の解像度でサンプリングされることを示しています。つまり、水平方向に1/2の解像度でサンプリングされることを意味します。